彫刻作品を触っている光島貴之の写真
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2023年4月6日(土) ─ 2024年7月7日(日)

MOTコレクション「歩く、赴く、移動する 1923→2020 Eye to Eye─見ること」(東京都現代美術館)

10:00−18:00 月曜休館(4月29日、5月6日は開館)、4月30日、5月7日休館  

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10歳までの風景は、自分を中心に半径1メートルだった。

それ以後、太陽の光はまぶしそうな暖かさだけになった。

インバーターではない蛍光灯が付くときは、パチパチという音がする。

朝は、匂いと賑わいでやってくる。

携帯でしゃべりながら街を歩く女たち、男たち。

彼らは、僕にとって透明人間ではなくなる。


触ることでもののかたちが分かる。

聞くことで、街の広がりが分かる。


視線によって何かを表現することはできないが、

触ることで人の気持ちを楽にしたり、体を軽くすることができる。


触覚と音、対物知覚(天井の低いところに入ると圧迫感を感じたりする感覚)による

風景を持つようになって、もう長い年月が過ぎた。

触覚による時空間認識のおもしろさを少しでも味わってほしい。


“触っておもしろいものは、見てもおもしろい”というコンセプトで

作品を発表し続けている。

しかし、このメッセージは、いったいだれに対するものだったのだろう?