この作品は、東京都現代美術館で展示した『手ざわりの冒険』という作品と同じようなコンセプトで作っています。つまり、触覚だけで楽しめる作品です。何か具体的なかたちを表しているのではないですが、さわっているうちにその手ざわりが心地よくなったり、あるいは不快に感じてくるところもあるかもしれません。
全部で5枚の組作品です。
この画びょうとびょう釘との組み合わせで作っている面の手ざわりには、今までにないおもしろさがあります。ふと手を止めてしまいたくなります。周辺の太鼓びょうも穏やかではありながら、それなりにこちらへ向かってくる力を感じます。しかし、この部分に入ると何か指が吸い付けられるような気がします。少し冷たい真空地帯とでもいう感じです。