アトリエの日常

作業部屋の様子
作業部屋の様子

 アトリエ事業をスタートしたのは、今年1月でした。排水溝や屋根の修理、ギャラリーの床揚げなどの工事を終えて、本格的にスタッフが集まり作品制作を開始したのは、3月ごろからです。さあやろうと思ったところに、緊急事態宣言の発令。そのため、ぼくたちも他府県をまたいでの移動は控えることにしました。

 開業早々閉鎖に追い込まれるかと思いきや、いいタイミングで住み込んでくれることになったスタッフとぼくとで、密集と密接を避けながら細々と活動を続けていました。ぼくとスタッフ3名全員が集まれるようになったのは6月からです。とは言え、メンバーの中でぼくだけが60代後半。やっぱりこわくて、現在は1日3時間ぐらいの滞在にとどめています。週に3日を作業日として、火曜・水曜・日曜の10時~18時の間で活動しています。

 作業部屋の一角にはぼく専用の作業スペースがあり、ぼくはいつもその場所で、画用紙やケント紙を使った立体的な下絵作りに励んでいます。スタッフはその下絵をもとに木を切ったり削ったり、釘を打ったりする作業をおこなっています。

 トントントン トトン コンコンコン コンコンコン ビューン ギーンギューンギーン シューシューシュー

 特に釘打ちは、その人の個性が音に表れます。そして時々ため息が聞こえてきたり、「あっ、しまった」「ヨッシャ」などの声も聞こえて来ます。

 おやつとにせもののコーヒー(インスタントコーヒーのことをこう呼んでいる)が楽しみの仕事場です。