点字ブロックで遊ぶ

北大路堀川の交差点にある横断歩道を一人で渡る光島
北大路堀川の交差点にある横断歩道を一人で渡る光島

 見える人がアイマスクをしてこのゲームに参加することをかたく禁じます。

 横断歩道にある点字ブロックは、建物側から車道に向かって線状の誘導ブロックがあって、車道との境目のところに直角に交わる状態で点ブロックが2mぐらいの幅で敷設されています。つまり線ブロックと点ブロックがT字型になっているわけです。


 交差点に向かって歩道を歩いていくと、まず線状の誘導ブロックに遭遇します。ここで方向を90度変えて、車道との境目にある点ブロックまで進みます。音響式信号機が青になって鳴き始めたらゲームスタートです。

 普通の横断歩道だと、車道上に誘導ブロックなどはありません。音響式の信号機の音だけを頼りにまっすぐ渡っていきます。まっすぐ渡るための目印はもうひとつあって、歩道と車道の段差に対して90度の角度でスタートすることが重要です。このスタートの方向を間違うと斜めに渡ることになります。「ピヨピヨ」「カッコー」の音も絶えず参考にしながら、ひたすらまっすぐ歩きます。


 それで渡り終わったところが点ブロックの上で、しかも誘導ブロックが交差しているところであればホームランです。ど真ん中でなくても、点ブロックの範囲内ならヒットですね。それよりズレてしまうと空振り三振です。

 1人で歩いているときはこんなゲームで遊んでいます。教えてくれたのは、ぼくの鍼治療を受けに来た盲学校理療科に学ぶ学生でした。「こんなゲームおもしろいの?」と思っていましたが、これがなかなかよいのです。鍼灸院は北大路堀川の交差点すぐにあります。どこへ行くにもこの広い横断歩道を渡らなければなりません。このゲームはその日の体調を占うこともできるのです。


 音の信号機の設置場所も微妙にズレているようで、音の方向へ向かってまっすぐに歩けばいいというわけでもありません。ホームランは、10回に1度ぐらいです。1年に1度ぐらいは暴投となり、クラクションで注意されたり、親切な運転手が車から降りてきて案内してくれることもあります。

エスコートゾーンというのが、もっと増えるといいですね。