新作を2点描きました

「光島貴之展 ─ side B」夜の展示風景
「光島貴之展 ─ side B」夜の展示風景

 昨日より、「side B」の個展が始まりました。先日、スタッフが展示作業で慌ただしくしている中、ぼくはアクリル板にカッティングシートを使った作品を2枚描きました。タイトルは、『みとおせない』と『行きつ戻りつ』です。

 今回の展示では、2012年から制作してきた触覚コラージュと釘作品を中心に21点を出品します。しかし、先日描いた新作2枚は、カッティングシートだけで描いています。「side C」に向けた予告編になればと思って描きました。


 2019年より、ラインテープを使わずカッティングシートだけで描く方法を模索しています。長年ラインテープの曲線が光島の特徴だとも言われてきました。しかし、そのラインテープにも欠点がいくつかあります。ガラス面に貼っていると高温や、時間経過でテープがずれてくる。経年劣化でテープが剥離する。需要が少ないので生産中止になるかもしれない、などなど。これらのマイナス面を考慮した上で、色数が豊富で、野外でも使えるカッティングシートだけで描くように心がけているのです。

 ややもすると、ラインテープが使いたくなります。テープを使わないと線がうまく表現できていないように思えてくるのです。シートで面としてのかたちは表現できているわけですから、その周囲の輪郭線は当然現れていることになります。そんな単純なことにやっと気づきました。境界線としてのエッジを意識することで、新しい表現を手に入れることができるでしょうか。

 さて、この新作にはまだ明かしていない秘密があります。色の選択も含め11月3日のトークイベントでお話しします。お楽しみに。

〈光島貴之展 — side B〉関連企画① トーク&カフェ

〈side B〉関連企画として、トークイベントをおこないます。「触覚コラージュ」や「釘」のシリーズを制作するに至った経緯、制作の手法など、展示作品の解説も交えながらお話しします。コーヒーを片手にゆっくりとお楽しみください。

  • 日時:2020年11月3日(火・祝) 14:00〜15:30
  • 会場:アトリエみつしま Sawa-Tadori
  • 参加費:無料
  • 登壇者:光島貴之、長谷川里江(生きる楽しみ研究所)

〈長谷川里江 プロフィール〉

見る人。考える人。人が集まる場づくりをなりわいとする会社で、企画を担当する会社員。兵庫生まれ。大阪勤務。京都在住。そろそろ地に足をつけて「生きる」ことの面白さ、楽しさを採集したいと、独り研究所の活動を始めたばかりです。対話はそのための第一歩。ぜひ、ご一緒に。